研究成果 - CREA 未来社会創造事業

JST MIRAI 未来社会創造事業

大規模プロジェクト型:Society5.0の実現をもたらす革新的接着技術の開発

界面マルチスケール4次元解析による
革新的接着技術の構築

Innovative Adhesion Technology Based on 4-Dimensional Multi-Scale Analysis of Interface

研究成果 - CREA 未来社会創造事業

研究成果

R&D Results

田中 敬二グループ

エポキシ樹脂の時間温度換算則・不均一性 / 界面における高分子鎖の緩和挙動

 メチレン数(n = 2~12、ER2~12)の異なるジアミンで硬化したエポキシ樹脂の動的貯蔵弾性率および損失弾性率を様々な温度にて周波数の関数として評価した。いずれの試料においても、ガラス転移温度(Tg)を基準温度として、データを横および縦方向にシフトさせ、マスターカーブを作成することができた。横シフトファクター(aT)の温度依存性はWilliams–Landel–Ferry(WLF)式に従ったことから、測定温度・周波数範囲においては、時間温度換算則が成立することを確認した。WLF式における定数(C1, C2)のn依存性を検討した結果、架橋密度の増加に伴い、自由体積の熱膨張係数が減少することを明らかにした(図1)。また、縦シフトファクター(bT)の温度依存性を検討し、架橋密度が高くなると、エントロピー弾性の発現が抑制されることも見出した[1]。さらに、動的粘弾性測定に基づきセグメント運動を評価した結果、緩和時間の温度依存性は、Vogel-Fulcher-Tamann式に従うことを明らかにした。Tgにおける見かけの活性化エネルギーとして表されるフラジリティ―指数(m)を評価した結果、nの減少とともにmが減少することを見出した。すなわち、nが小さいほど動的な不均一性が大きくなることを示した(図2)[2]。
 エポキシ樹脂は吸湿により劣化する。水が存在可能な空隙が硬化過程でどのように形成するか、また、収着水の動的振る舞いについて、全原子分子動力学(MD)計算で調べた。水分子はOH基等水素結合が形成可能なサイトに局在し、拡散する際はホッピング機構に従うことが明らかとなった(図3)[3]。また、分子サイズによる硬化反応への影響を明らかにした[4]。
 ナノクリープ測定に基づき、高分子ガラス表面では分子鎖の長さに依存しない絡み合いセグメントが存在することを見出した。従来、高分子鎖の絡み合いはその長さのみで規定されると考えられていたが、界面に存在する分子鎖は内部領域まで繋がるため、セグメントレベルで緩和しても疑似ループコンフォメーションが形成されることを明らかにした。短い分子鎖でも一時的に絡み合ったような粘弾性挙動を示すが、時間温度換算則が成立しないことを見出した(図4)[5]。

西野 孝 グループ

高分子接着界面のナノラマン散乱による解析

 顕微ラマン分光解析により同種高分子界面としてのエポキシ樹脂/エポキシ樹脂界面の解析に成功した。近年構造材料への展開が高まりつつある炭素繊維強化プラスチックス(CFRP)のマトリックス樹脂としてエポキシ樹脂が利用されており,CFRPの接着においてはエポキシ樹脂/エポキシ樹脂界面の同種高分子界面が形成され,その接着界面の構造が重要となる。本グループは,重水素化ラベルエポキシ樹脂を利用することで,図1のように同種高分子界面の評価した。さらに硬化温度によって界面の厚みが変化し,接着力との相関を有することを見出した。
 また、顕微X線CTを利用して,CFRPのマトリックス樹脂として利用されるポリエーテルスルホン/エポキシ樹脂のブレンド中における破壊時のき裂進展を図2のように評価し,き裂がエポキシ樹脂に沿って進展することや,き裂先端周辺にひずみが集中することを明らかにした。
 接着界面の残留応力をX線回折により評価する手法を確立し,高分子/高分子界面のX線回折を利用した残留応力の評価に初めて成功し,接着強度と残留応力の相関を明らかにした。

初井 宇記 グループ

低損傷放射光顕微X線マルチスケールイメージング技術の開発

 接着界面の化学状態解析をマルチスケールで実現するため、放射光軟X線による複合材料接合界面可視化装置の開発を行っており[1]、本研究において20 nm spacingを解像できる撮像能力を実現した。軟X線では弱い水素結合であるOH···π相互作用を観測できることを示しているが、この手法を接着系に適用したところ、熱硬化性エポキシ接着剤ビスフェノールA型エポキシ接着剤(DGEBA-DDS)と熱可塑性母材のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)との接着界面について、接着剤中の破壊(region 1)、母材破壊(図2 region II)、および界面破壊(region III)が混在している様子を判別することができ、さらにこれらの領域をマッピングできることを示した[3]。最近では炭素繊維強化プラスチック系の実用接着材の接着界面についても顕微観察に成功している。

中嶋 健 グループ

ポリマー/フィラー界面のナノメカニクス評価

 エポキシ–アミン系混合物の硬化反応過程で生じるナノスケール不均一構造を、ナノ触診AFM用いて観察した。転化率と不均一構造の相関解析から転化率増大に伴い相関長の減少、分布の均一化が生じることが判明した。また弾性率とエネルギー散逸の相関から硬化反応そのものに関する知見を得ることができた [1]。
 高分子ナノコンポジット(PNC)の力学物性向上に影響を与えるパーコレーティングフィラーネットワーク(PFN)の形成過程を損失正接イメージングで明らかにした。フィラー体積分率が約16%になると柔軟なPFNが形成され、その後、約24%になると硬いPFNに変化することを実空間で初めて明らかにした [2]。
 単軸引張下におけるフィラー充塡加硫ゴムのナノ力学物性を初めて測定した。延伸されたPNCでは、引張方向に平行なフィラーの周りに多くの応力鎖が形成され、さらに高伸長時には応力鎖が連結してネットワーク構造を形成し、高い巨視的応力が発生することがわかった。さらにPNCの各構成要素(フィラー、界面、マトリックス)の定量評価から、マクロな引張応力を予測できることを示した [3]。

山田 淳 グループ

電子顕微鏡を用いた接着界面の構造評価

ナノメートルスケールの表面凹凸構造を付与したアルミニウム金属とエポキシ系接着剤の界面引張せん断破壊機構を走査型電子顕微鏡およびX線光電子分光(XPS)装置を用いて解析を進めた。特に、XPSによる元素マッピング測定等により、凹凸構造試料では破壊後に金属状態のAlが比較的多く存在すること、硬化剤成分が凹凸構造内に入り込んでいること、硬化剤成分が接着界面に偏析することが明らかとなった。これらの相関性について解析を進めている。
一方、ナノコンポジット材料におけるフィラー/マトリクス界面の接着状態や材料の力学特性をナノ~マイクロの時空間スケールで動的に観測するための透過型電子顕微鏡(TEM)システムを構築した。シリカフィラー含有エポキシナノコンポジットの薄膜試料について、引張過程で発現する薄膜試料の変形や破壊のプロセス、引張過程におけるナノボイドの発生・成長、破壊靭性に及ぼすシリカナノフィラーの影響について解析を進めた。また、引張過程における薄膜の歪み分布について数値解析を行った[1]。

青木 裕之 グループ

ディープラニングによる接着界面の高精度解析

 中性子反射率は接着界面における構造解析を行う有力な手法であり、界面における接着剤成分の空間分布をナノメートルスケールで評価可能である[1]。その一方で、バルク内部の界面などでは信号強度の低さから高精度の解析を行うためには長時間の測定時間を要する。そこで、測定データに含まれる統計ノイズを処理し、微弱な信号強度の中性子反射率データからでも高精度の構造解析を行うことができる手法を新たに開発した[2]。畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いたディープラーニングを行うことで、中性子反射率データに含まれるノイズの特徴を学習し、実験データから除去することに成功した。その結果、測定時間を通常の1/10以下としても精度を低下させることなく構造評価を行うことができた。本手法によって、従来では困難であった接着界面の構造解析や、外部環境によって引き起こされる構造変化のプロセスなどを直接評価可能となる。

堀内 伸 グループ

電子顕微鏡による接着界面の実空間3次元解析

 接着界面には分子レベルからミクロンレベルの様々なスケールの構造が含まれる[1]。接着メカニズムを理解するためには、界面構造を可視化し、さらに、界面の破壊現象を精密に解析する必要がある。本グループでは、走査透過型電子顕微鏡(STEM)[2]を中心に、接着界面の実空間3次元構造を可視化し、さらにEELS(Electron Energy Loss spectroscopy)、EDX(Energy Dispersive X-ray spectrometry)による局所分析により界面の分子相互作用を明らかにすることを目的とする。図は、アルミニウムとエポキシ系接着剤の界面のトモグラフィーによる3次元化、Al表面の微細孔への接着剤の侵入のSTEM-EDX元素マッピングによる可視化、さらにEELSによる化学的相互作用の解析事例である。EELSのAl L23-edgeとO K-edgeのELNES(Energy Loss Near Edge Fine Structure)解析により、アルミ表面の水酸基とエポキシのアミノ基とのイオン的相互作用が主な化学的相互作用であることを明らかにした。

竹中 幹人 グループ

エポキシ樹脂におけるナノ粒子/架橋構造の不均一性評価

 放射光の小角(SAXS)及び中角X線散乱(MAXS)法とコンピュータトモグラフィー法を組み合わせたSMAXS-CT法により、接着剤の補強材であるナノ粒子と架橋構造の不均一性評価を行った。試料として、シリカ粒子を含有して硬化処理を施したエポキシ試料を作製し、SMAXS-CTにより測定した。本研究結果から、シリカ粒子及び架橋構造の分布状態を観察することに成功した。シリカ粒子や架橋の異なるスケールにおける構造の分布状態を個々に可視化することで、各構造の不均一分布を明らかにした。

高原 淳 グループ

界面相互作用の接着強度および接着疲労挙動へ及ぼす影響

 アセチル化カテコールとグリシジルメタクリレートの共重合体(PGMA-co-P(Ac2VCa))を合成し、これをエポキシ系接着剤に導入した際の接着強度へ及ぼす影響を評価した。このPGMA-co-P(Ac2VCa)を被着体への塗布あるいはエポキシ接着剤に添加する方法でSLJ試料を調製し力学物性を評価した結果、両者ともに接着強度が改善されることを明らかにした。(図1)[1]
 異なる架橋構造を有するエポキシ系接着剤からなるバルク試料と単純重ね合わせ継手試料の疲労挙動を評価した結果、ナノメートルオーダーの架橋構造と接着疲労強度に相関があることが示された。(図2)

小林 卓哉 グループ

接着界面のマクロスケール解析 

 フィラー / マトリックスからなる接着界面のマルチスケール解析手法の開発を目的として、最新の分子シミュレーションに基づく硬化曲線と力学特性を、構造FEMのなかにダイレクトに持ち込む手順を具体化した。
 硬化プロセスに依存するエポキシ樹脂のミクロ・ナノレベルの力学特性の定量評価は、化学の面からも機械工学の面からもこれまで困難とされてきたが、マルチフィジックスの視点から現象に切り込むツールを実現した点において従来の試みと一線を画する。
 またき裂進展など、製品の信頼性に直結する破壊力学的なニーズに対応するため、電子顕微鏡下のデジタル画像相関法(DIC)を含む可視化結果[1]を背景とし、国内に市場展開されている汎用有限要素法ソフトウェアを用いたき裂進展解析のツール化を進めている。

吉澤 一成 グループ

エポキシ樹脂接着界面の大規模理論解析 / 酸化銅表面との接着相互作用の理論解明

 第一原理密度汎関数理論(DFT)計算に基づき、大規模接着界面の相互作用を近似計算する手法を開発した。本手法を2000原子弱を含むエポキシ樹脂/シリカ表面に適用し、表面から3.6Åまで離れた領域の相互作用が特に重要であることを明らかにした[1]。また、エポキシ樹脂/シリカ表面を分子動力学(MD)シミュレーションし、高温時にエポキシ樹脂が界面水を押し出して表面と相互作用する挙動を示すことを明らかにした[2]。
 エポキシクレゾールノボラックとフェノールノボラックの硬化反応で形成される接着ポリマー(ECN-PN)と酸化銅表面との相互作用をDFT計算することにより、表面上の配位不飽和銅原子および配位不飽和酸素原子がECN-PNと強く相互作用していることを明らかにした[3]。

久池井 茂 グループ

任意物性に対する最適な配合提案のモデル構築と逆解析 / ソフトウェアパッケージ開発

 連携企業に提供頂いたエポキシを含む配合データをデータセットとし、最適な配合提案のためのモデル構築および逆解析を実施した。具体的には、エポキシ、反応剤、アルコール、硬化剤、その他添加物を任意の配合で混ぜ合わせた配合データから成る材料の特性を予測するモデルを構築した(図1参照)。このモデルを活用した逆解析を実施し、トレードオフの関係にある材料の特性条件を満たす配合を提案する。
 これまでMI(マテリアルズインフォマティクス)の有効性を明らかにしてきたことを活かし,更なる発展のために化学分野の現場で活躍する方々が機械学習手法等での解析を容易に行える環境構築を目指し,ソフトウェアパッケージを開発した(図2参照)。今後も現場の声をフィードバックしたバージョンアップを予定している。

廣瀬 慧 グループ

スパース多変量解析に基づく欠損値がある場合の物性予測モデルの構築

 廣瀬Gでは、統計数学の力を使い、実験条件から物性を予測する多変量解析手法を提案しました。実際に予測をする際、物性が複数あり、それらが互いに関連している等の特徴があります(たとえば、粘りと硬さ等)。そのため、物性間の相関関係を考慮した統計モデリングが必要となります。さらに、実験ですべての物性を観測することは困難な場合があり、しばしば欠損が生じます。
 そこで,物性間の関係性を推定し,かつ欠損も補完可能な統計解析手法SMRM(Sparse Multivariate Regression with Missing values)を構築しました[1].この手法は、スパース推定の手法を数学的に拡張することによって実現しました。 スパース推定に基づく手法ですので、サンプルサイズがあまり大きくない場合においても安定して推定できます。また、EMアルゴリズムにより欠損補完を行うため、欠損率が高く、欠損パターンに規則性がない場合においても適用できます。提案手法を東レ(株)様からいただいたデータに適用したところ、従来のスパース推定法よりも予測精度が高くなり、かつ物性間の関係性も推定できることが確認できました。

横澤 勉 グループ

PET表面におけるエステル交換反応の分析/耐熱性ポリアミド接着剤の開発

 アルコキシド触媒によってエステル間の交換反応が低分子だけではなく、高分子でも容易に起こることを見出したので [1, 2]、環状ポリ(ドデカメチレンイソフタレート) (CPEs) に触媒量の t-BuOK を加えた THF 溶液によってPET 板を接着した (図1)。剥離後、異なる溶媒で洗浄し、トルエン洗浄液を GPC と 1H NMR スペクトルで分析した結果、共重合体の生成が示唆された。また、CPEs と二官能性グリシジルエステルとのエステル交換反応では、エポキシ基は開環せずにポリエステルの両末端に導入できた (図2) 。
 N-H 芳香族ポリアミドは、高分子間および被着体との多点水素結合によって接着の耐熱性と強度を上げられることが期待できる。しかし、溶解性が低いことから酸または加熱によって除去できる tert-ブトキシカルボニル (Boc) 基を持つポリアミドを合成し、熱酸発生剤 (TAG) 存在下、加熱によってN-H 芳香族ポリアミドを被着体間で発生させた (図3)。その結果、ボイド発生の問題はまだあるが、ガラスおよび鋼板を接着できた。

伊藤 耕三 グループ

PRを用いたエポキシ接着剤の強靭化 / PPRナノシートを用いたポリマーブラシ形成

 当研究グループでは、環動高分子や超分子などを用いたタフでしなやかな接着剤の開発とその分子的接着機構の解明を目指している。本年度は、ポリロタキサン(PR)の包接率を広い範囲で精密に制御することに成功し[1]、低包接率ポリロタキサンを用いた環動ゲルで伸長誘起結晶化が起こりやすくなることを見出した[2]。これは、ポリロタキサンを含有した材料における強靭化の新たな分子設計指針を与えるものである。実際に得られた分子設計指針を接着剤に適用したところ、エポキシ樹脂の接着強度が大幅に向上した。また擬ポリロタキサン(PPR)ナノシートを用いることで、従来のポリマーブラシ形成法であるgrafting-toやgrafting-fromとは異なる新たなポリマーブラシ層の形成手法を提案した[3]。

大塚 英幸 グループ

自己修復性の分子骨格を利用した革新的接着技術の開発

 穏和な加熱で交換反応が進行し、自己修復性分子骨格として機能するビス(ヒンダードアミノ)ジスルフィド(BiTEMPS)を架橋点に導入した化学架橋高分子が、異種架橋高分子どうしの融合だけでなく接着に展開できる可能性を示した[1]。また、以前報告したアミン硬化エポキシ樹脂中のジエタノールアミン骨格とフェニルボロン酸との特異的な化学反応を、同じく高耐熱性の接着剤として期待されているポリベンゾオキサジンに展開し、B-N相互作用が効果的に機能し、ジオキサボレシン骨格を形成することでポリベンゾオキサジンの表面修飾法として有用であることを明らかにした[2] 。

佐藤 絵理子 グループ

接着時の高強度化と界面剥離による解体を目指した新規易解体性接着材料の設計

 当グループが独自に開発した非分解型(解体時に揮発性有機化合物の排出を伴わない)易解体性接着材料について、解体メカニズムに基づく設計を行い、選択的界面剥離を達成するとともに解体性向上に成功した(図1)。また、ポリロタキサンの非分解型易解体性接着材料への応用を行い、接着および解体メカニズムを明らかにし、その知見に基づき解体性の向上および再接着性を付与することに成功した(図2)。分解型の易解体性接着材料については、解体ユニットの分子設計と硬化条件の精査を行い、初期接着力、解体性、および耐熱の向上に成功した[1][2]。

佐藤 浩太郎 グループ

機能性接着剤に向けた官能基含有植物由来モノマーの重合反応に関する研究

植物由来桂皮酸誘導体から接着機能が期待されるカテコール基などをもつスチレン系モノマーへスケールアップにも対応できる合成手法を明らかにした。このような手法は種々の官能基をもつバイオベース経皮酸誘導体へ適用可能であることがわかった[1] 。特にエステル基で保護されたビニルカテコールモノマーについて、リビング重合を見出すとともに、既存の接着剤のベースポリマーであるアクリル酸エステルとの共重合とについても達成し、選択的かつ実用的な脱保護を明らかにした[2] 。 G1グループと連携により、このような手法がバイオベース接着への展開も可能となった[3] 。このような機能性官能基をもつ天然由来モノマーの精密高分子合成により、バイオベース化された更なる革新的なスマート接着技術を構築することを目指します。

目代 武史 グループ

接着剤のオープンイノベーション戦略に向けた特許引用ネットワーク分析

 ステージ2以降の接着剤技術の効果的なバリューシステム構築に向け、オープンイノベーション戦略に着目した。ソフトウェアや電子電気機器、バイオ産業などでオープンイノベーションの有効性が示されているが、接着剤産業における実証分析はまだない。そこで、接着剤産業を対象とした実証分析を通じて、オープンイノベーション戦略の有効性の検証ならびに適用条件などの解明に取り組むこととした。
 分析対象として自動車用構造用接着剤を選び、企業が囲い込み型の技術戦略(オープンイノベーション戦略の逆)を採用しているかどうかを分析した。構造用接着剤は、1990年代後半から自動車への応用が拡大し、関連特許の出願は2000年代から急増している(図1)。伝統的に欧米企業が強いが、2010年代からは中国からの出願が急増している。囲い込み型の戦略では、特定分野において網羅的に特許出願し、他社の入り込む隙を排除するとともに、後続特許に対するけん制を図ると考えられる。そこで、特許の引用関係に着目し、ネットワーク分析の手法を用いて解析に取り組んでいる。その結果、1)構造用接着剤における特許間の引用ネットワーク密度は低いこと、2)複数のクラスターに分かれ技術の棲み分けが見てとれること、3)特許間の引用関係は非対称的で極めて多くの被引用を誇る少数の特許と1件の被引用もない多数の特許が存在すること、等が明らかになった(図2)[1]。

研究成果公表申請書と出願申請書の様式

謝辞について

成果発表の際には本プログラムへの謝辞の記載をよろしくお願いします。

本プロジェクトでの謝辞の書き方

<英文の場合>
This work was supported by JST-Mirai Program Grant Number JPMJMI18A2, Japan.
<和文の場合>
本研究は、JST、未来社会創造事業、JPMJMI18A2 の支援を受けたものである/ものです。


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