中嶋 健グループ

中嶋 健
NAKAJIMA Ken

東京工業大学

http://nanomech.polymer.titech.ac.jp

研究開発テーマ

ナノ触診原子間力顕微鏡による接着界面の評価手法の応用展開

研究概要

エポキシ樹脂および接着界面を可視化するためのモデル試料として採用したシリカ充塡エポキシ樹脂の硬化反応過程で生じるナノスケール不均一構造を、ナノ触診AFMおよびナノレオロジーAFMを用いて観察し、1stステージで得た不均一構造発現メカニズムの更なる深化を目的に研究を行う。そのために、架橋剤の種類、シリカおよびそれ以外のフィラー、曲げや引張などの各種巨視的変形下での計測に展開する。吸湿状態など環境の変化が及ぼす影響も調べる。さらに連携企業との共同研究を意識して、エポキシ樹脂以外のマトリックス(ゴムやプラスチック)にも本手法を応用していく。特にフィラー充塡ゴム、フィラー充塡プラスチックは複数の連携企業が研究対象としている材料であり、そのフィラーとマトリックスの界面のナノ力学の理解が接着強度を微視的に理解するための重要な課題だと認識している。界面の力学の理解には弾性率のみならず、貯蔵弾性率、損失弾性率、損失正接などの動的物性に関する情報が必要不可欠であるため、ナノレオロジーAFMの高分解能化も重要なテーマとして検討を行っていく予定である。

 

シリカ充塡エポキシ樹脂の弾性率像とマクロ物性のHalpin-Tsai式による再現

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