積水化学工業株式会社
研究開発テーマ
高絶縁高放熱樹脂シートの開発
近年、電動車である電気自動車やハイブリッド車の普及に伴い、パワーエレクトロニクスの中心であるパワーモジュールの高性能化や小型化が加速している。その結果、内部から発生する熱が大幅に増大しているため、外部へ放熱することが非常に重要になっている。パワーモジュールの中でも、放熱に対してキーマテリアルとなっているのが、金属を樹脂シートで貼合せた絶縁樹脂基板である。その中でも特に樹脂シートの性能によって大きく左右するため、高絶縁かつ高放熱な樹脂シートが望まれている。
樹脂シートは、エポキシ樹脂などのマトリックス中に高熱伝導フィラーを充填したもので、フィラーを高充填すると高放熱化できるが、絶縁性が低下するため、高絶縁性と高放熱性を両立させるのは難しい。そこで、フィラーの最適設計だけではなく、樹脂の高熱伝導化、フィラー／樹脂／基材界面の低熱抵抗化技術の構築が必要である。
本プログラムでの技術開発を通して、さらなる高絶縁高放熱樹脂シートを提供することで、Society5.0において重要な役割を果たすモビリティの電動化において、さらなる省エネルギー化に貢献することを目指す。
高絶縁高放熱樹脂シートを用いた絶縁樹脂基板とパワーモジュール
