小椎尾 謙グループ
小椎尾 謙KOJIO Ken九州大学 先導物質化学研究所 https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K005323/index.html |
研究開発テーマ
放射光X線散乱・回折を用いた4次元解析に基づく接着界面の疲労破壊予知と次世代接着技術の創製
研究概要
当該グループは、疲労試験に基づき、高分子材料および単純重ね合わせ継手(SLJ)試料の疲労破壊規準式の確立を行う。さらに動的な力学変形下におけるμビーム小角X線散乱(SAXS)あるいは広角X線散乱(WAXS)測定および複屈折測定に基づき、局所領域における動的粘弾性関数を導出し、力学からのデータ、分子凝集構造からのデータ、光学からのデータを比較することで、疲労破壊の空間分布の評価を行い、各々の測定から得られる疲労破壊規準式のパラメータの妥当性を検討し、最終的に、接着剤の4次元物性解析技術を確立する。これらの評価手法を用いて、接着試料の異なる温度下での疲労過程における階層構造評価と力学物性のその場評価を行うことで、接着剤の疲労挙動へ与える温度の影響を明らかにし、耐熱性が高い接着剤の分子設計に活用する。これらの結果に基づき、様々なタイムスケールと空間スケールでの接着破壊機構を解明するとともに接着破壊規準式を確立し接着疲労破壊の予知を可能にする。
ステージ2では、ステージ1で得られた上記知見をより深化するとともに、社会実装を目指して研究開発が進められている企業からの試料について疲労試験を行うことで、疲労破壊規準式の導出と寿命予知を行うことで、次世代接着材料を創製する。