田中 敬二グループ
田中 敬二TANAKA Keiji九州大学 工学研究院 |
研究開発テーマ
分子界面制御に基づく革新的接着技術の構築
研究概要
液体状態で存在する未硬化の接着剤が固化する際の被着体界面の変化、すなわち、接着界面の形成過程における構造を分子レベルで精密に解析する。接着界面における官能基の配向状態とその時間変化を和周波発生(SFG)分光測定に基づき評価する。SFGでは、サブナノメートルの深さ分解能で界面情報を選択的に取得できる。特に、位相敏感型SFG測定を接着界面や複合材料に適用し、分子配向の絶対評価を試みる。また、接着界面におけるシランカップリング剤分子の配向状態についても明らかにする。さらに、特定官能基の面内における空間分布を評価するため、新たにSFGイメージング技術を開発する。
イメージングSFG測定を位相敏感モードで、温度・湿度制御環境下、種々の接着剤との接触下、また、硬化条件下や正弦波応力下において実施することで、実使用環境下における界面分子配向の空間分布およびその時間変化を明らかにする。以上の結果を、全原子および祖視化分子動力学シミュレーションの結果と照らし合わせ、さらには、界面破壊挙動との相関を解明する。また、熱硬化樹脂、特に、エポキシ樹脂の基礎学理を構築し、さらには、その知見を界面へと適用する。