研究開発体制
Organization
西野 孝 グループ
研究概要
現在,構造材料においてもネジ止めやリベット打ちによる点での接合から,面で固定する接着への転換が進められている。そのような背景の中で,接着においても従来までは面と面の二次元的な固定として考えられていたが,接着の界面自体を空間的な広がりを持つ三次元の接着層として解析する必要性のあることが判明してきた。一方で,接着界面は部材内部に存在し,非常に限定された空間に広がるために,その解析は困難となるが,工業的接着の信頼性獲得のためには,接着界面の非破壊的・三次元評価が必要不可欠となる。本研究グループでは,これまでさまざまな手法で接着界面の解析に携わってきた。特に300nmの空間分解能を有する共焦点顕微ラマン分光により,結晶性高分子基板を被着体とする接着界面層を評価してきた。特にこれまでは,ラマン分光法を利用し,界面領域で基板と接着剤の共存する領域を接着層として界面厚みを算出し,その厚みが接着強度と高い相関があることを見出した。今後は,接着界面領域の分子配向や,接着界面層の形成過程や破壊過程について,ラマン分光法を中心に種々解析法を駆使することで評価していく。
共焦点顕微ラマン分光法とその接着界面のマッピング解析図